“2018年春季全国中等日语教育教师研修会”实施报告
北京日本文化センターは人民教育出版社と共催で、毎年春と夏に全国の初等・中等教育機関の日本語教師を対象とした研修会を行っています。2018年春季研修は2017年夏季研修に引き続き、新しい『課程標準』の中で重要視されている「核心素養」について理解を深め、その核心素養育成を目指す読解授業をどのようにデザインすれば良いかについて考えました。
日程:2018年3月24日(土)~3月26日(月)
会場:嘉興外国語学校(浙江省嘉兴市中环南路8183号)http://www.jflsedu.com/index.jsp
主催:国際交流基金北京日本文化センター、人民教育出版社課程教材研究所日本語課程教材開発センター
テーマ:「核心素養育成を目指す読解授業」
参加者:98名(72機関)
研修目標
① 核心素養への理解を深める。
② 核心素養の育成という視点から読解素材を分析する力を身につける。
③ 核心素養を育成する読解授業のデザインと実施を考える。
④ 高考の新動向を知り、日常の読解教育を考える。
⑤ 参加教師間で情報・意見交換を行う。
プログラム
時間 | 内容 | |
23日(金) | 17:00-20:00 | 受付、資料受取 |
24日(土) | 08:30-10:00
10:10-11:50 |
開会式、記念撮影
嘉興外国語学校紹介、主催団体活動紹介 講座1:「高考の改革と日本語試験問題の作成」 (教育部試験センター外国語試験所所長 高昇) |
14:00-15:20
15:30-16:50
17:00-17:50 |
講座2:「日本語学科の核心素養とは」
(北京師範大学日本語教育教学研究所 所長 林洪) 講座3:「教科書をどう使うか-核心素養の育成を目指す場合」 (人民教育出版社課程教材研究所日本語課程教材開発センター 李家祥) WS1:事前課題の素材を再分析する |
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25日(日) | 08:30-10:00
10:10-11:00 11:10-12:00 |
講座4:「読解授業のデザインと実施」
(国際交流基金北京日本文化センター 髙﨑三千代) WS2:事前課題教案の振り返り WS3:新しい教案を考える |
14:00-
14:10-14:50 15:00-15:40 15:40-16:10 16:20:17:30 |
授業見学
嘉興外国語学校 朱玉姣先生による授業(高校2年生) 嘉興外国語学校 潘柳叶先生による授業(高校1年生) 授業見学の振り返り WS4:新しい教案を書く |
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19:00-20:30 | 日本文化サロン(自由参加) | |
26日(月) | 08:30-10:30
10:40-12:00 |
WS5:教案ポスター作成
WS6:ポスター発表 |
14:00-15:00
15:00-16:00
16:20-17:00 |
教学経験交流会(タイトル訳は作成者による)
「政策引领,任务驱动(政策の先導、任務の遂行)」 (大連市教研員 楊慧) 「江苏泰州民兴实验中学日语教学情况介绍」 (「江蘇省泰州民興実験中学の日本語教育状況紹介」) (泰州民興実験中学日本語教師 秦華) 閉会式 |
プログラム詳細
◆講座1:「高考の改革と日本語試験問題の作成」(教育部試験センター外国語試験所所長 高昇)
高考の統計結果の傾向や日本語試験問題の作成について読解を中心にお話していただきました。
◆講座2:「日本語学科の核心素養とは」(北京師範大学日本語教育教学研究所所長 林洪)
2018年に発表された新しい『課程標準』の中の、「核心素養」についてお話していただきました。
◆講座3:「教科書をどう使うか-核心素養の育成を目指す場合」(人民教育出版社課程教材研究所日本語課程教材開発センター 李家祥)
教科書を作る側の考える、核心素養の育成を目指すために教科書をどう使うかについて学びました。
◆講座4:「読解授業のデザインと実施」(国際交流基金北京日本文化センター 髙﨑三千代)
核心素養を意識した読解授業について、流れに沿った具体的な発問や活動を提案しました。
◆ワークショップ
(人民教育出版社課程教材研究所日本語課程教材開発センター 張金龍、国際交流基金北京日本文化センター 王崇梁)
4~5人ごとのグループになり、講座の内容について話し合ったり、自分たちの事前課題を共有したりしながら「核心素養育成を目指す読解授業」の授業デザインを考え、最後にポスター発表を行いました。
◆授業見学
全国研修の中でも、春季は北京以外の学校を会場として開催されることが多く、開催校の授業を見学させていただくことが一つの目玉になっています。今年も開催校の潘柳叶先生と朱玉姣先生の授業を見学させていただきました。
◆日本文化サロン
研修で疲れた頭をリフレッシュする意味も込めて、2日目の夜に日本文化紹介コーナーを設けました。自由参加でしたが、非常に盛り上がり、日本文化を楽しく体験することができました。
日本文化サロン発表内容と発表者
・早口言葉(山东省东营世说新语多语种教育 孫旭)
・書道(浙江省杭州市杭州英特外国语学校 李玄)
・浴衣(浙江省嘉興外国語学校 朱玉姣)
・カルタ(人民教育出版社課程教材研究所 若林)
◆教学経験交流会
3日間の研修の最後に、2名の先生からそれぞれのテーマで、大連市の日本語教育事情と泰州民興実験中学校の日本語教育事情について60分ずつ発表していただきました。
「政策引领,任务驱动」(「政策の先導、任務の遂行」)(大連市教研員 楊慧)
「江苏泰州民兴实验中学日语教学情况介绍」(「江蘇省泰州民興実験中学の日本語教育状況紹介」)(泰州民興実験中学日本語教師 秦華)
研修を終えて
今回の研修では、2017年夏季全国研修に続いてテーマに挙げられた「核心素養」についての理解をより深めることに加えて、さらに「核心素養」を育てるためにどんな読解授業ができるかについて考えることができました。今回は100名近い多くの先生方に参加していただきました。普段は会う機会の少ない違う地域の先生方と一つのテーマに沿って話し合い、一つのものを作り上げることによって、多くの仲間が見つかったのではないでしょうか。この研修を通して得られたことや、グループで作った授業案を、ぜひ、現場でも実践していってほしいと思います。
参加者の感想より一部抜粋
・この一年間の間、私は学校のはじめての日本語教師として、いつも一人で教育活動を行っているというような気がして、不安で、孤独でした。あるきっかけで、友達から情報をもらって、今回の嘉興外国語学校で行われた研修に参加することができて、全国からの日本語教師と会って、大きな家族に入ったというような気がします。研修を通して、自信を持つようになりました。
・了解到全国日语考生的分布和变化趋势,更重要的是新高考改革后的题型,这使我们能够明确了下一步的发展方向,指导我们下一步应该怎样进行有效的日语教学,面对小语种高考的特点,我更加有信心的进行日语教学。
・虽然本次研修会上针对二外日语的内容并不多,但能从解读大方向文件上找到二外的定位,也能从一外的教学法中“博采众长”,拿到二外的课堂中进行运用。最感到高兴的,还是投入了日语教师的大家庭,结实了许许多多优秀的同行,扩展了交流的渠道。同时,我也希望以后能够多多参加这样的活动,继续学习,不断进步。
以上