文化芸術交流
Arts and Cultural Exchange

手仕事のかたち-伝統と手わざ

私たちの身の回りには、日々の暮らしの中で育まれてきた様々な実用の工芸品があります。陶芸、染織、金工、漆工、木竹工、紙など、各々の素材を生かし、それにふさわしい技術(手わざ)を工夫することで、使いやすさとともに、美を兼ね備えた品々が生み出されてきました。

明治時代に日本も産業の近代化を迎え、それまで手仕事によって作られていた工芸品(手工業品)は、その多くが機械の導入による大量生産を目指す工業製品にとって替わられることになります。しかし、日本では、明治以降の機械工業化の一方で、日本各地の工房等を単位とした手作りによる工芸品の中少量生産が存続し、優れた職人が育つ一方、そうした工房職人の中からも個性的な工芸作家が生まれています。

日本の各地域の風土に根差した伝統的な素材や技術は、職人の熟練した手わざによる実用的な工芸品と、工芸作家の創造性豊かな作品の両方に生かされ、職人と作家が相互に影響を与えあい、産業・芸術両面において日本の工芸全体の層の厚さ、質の高さを育んでいます。

この展覧会では、そのような日本各地の伝統的な技術と素材による「手仕事のかたち」を、国が伝産法で指定する「伝統的工芸品」の代表的なものを中心に、工芸作家の作品を交えて紹介します。

監修:外舘和子(とだて・かずこ)

展示情報


主催:独立行政法人国際交流基金、C5+86
会期:2018年5月6日-5月20日 11:00-17:00(月曜日閉館)
会場:C5+86(北京市朝阳区798艺术区七星东街E03栋)

入場券:前売り20元 当日券30元-40元 申し込みはこちら

展示品紹介


1. 陶磁器

日本では色も形も多様な食器を組み合わせて使います。土器の製作に始まる1万3千年の歴史を持つやきものは、工芸の種類のうちでも、現在、日本で作り手の数が最も多い世界です。

美濃焼 紅志野ぐい呑み、紅志野汲出し

2. 染織
糸を染めてから布を織る「織り」と、無地の布を織った後に染める「染め」からなる染織のうち、日本では「織り」だけでなく、特に8世紀以降、「染め」が高度に発達しました。

東京友禅 訪問着「香風」

3. 漆器
英語で「ジャパン」とも呼ばれる漆は日本の工芸を象徴する素材でもあります。8世紀に始まった漆工芸は、当初、本体を漆皮で作ることも多かったのですが、次第に、木地で本体を作り透明な漆を塗布して金銀粉を蒔き付着させ研いでつやを出す蒔絵の技法が発達しました。

高岡漆器 盛皿「もみじ」、盛皿「大根」

4. 金工
農耕の始まった紀元前4世紀から後3世紀頃、鉄器や青銅器が大陸から日本に導入されました。鉄器は農耕器具として、青銅器は主に宗教的な祭事に使われました。

南部鉄器 鉄瓶小霞布団形

5. 木竹工
木工品、竹工品の歴史は古く、いずれも紀元前4世紀頃までの縄文時代の遺跡から出土しています。

大館曲げ輪っぱ 弁当箱

6. ガラス
ガラス玉の製作は8世紀から行われていたようですが、ガラスで器が作られるようになったのは、16世紀後半、ヨーロッパからガラス工芸が持ち込まれた以降のことです。まず長崎で作られ始め、大阪、江戸へと伝えられたのち、各地に広まりました。

江戸切子 ぐい呑み

7. 紙・文具・その他
大陸から日本に紙漉きの技術が伝来したのは6世紀以前にさかのぼるといわれ、8世紀には日本の各地で行われています。

越中和紙 草木染め箋

 

 

 

 

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